2013年12月24日火曜日

クリスマスとケンタッキーとカーネルおじさんの関係について

みなさま、大変ご無沙汰しております。6ヶ月ぶりです。はぁ、、、。人生、色々思い通りに行かないものですね。気持ちだけは常にあるのですが、すみません、ブログの優先順位がひじょーに低くなっておりました。反省。申し訳ございませんでした。
 はい、反省とお詫び、終了。

さて、今日はアメリカではクリスマスイブ、日本ではクリスマスですね。
ということで、時節柄の話題をひとつ。
日本では、クリスマスと言えばケンタッキーフライドチキン。クリスマス柄のパーティーバーレルを抱えてホームパーティーにいそいそと、という光景が日本全国各地で繰り広げられていることでしょう。バブル時代の象徴でもあり、クリスマスの華やかさにぴったりのケンタッキーフライドチキン❤️

実は、この「クリスマスはケンタッキー」は、日本発祥の日本だけの不思議な慣わしであります。 ケンタッキー・フライド・チキン(KFC)発祥の国、本場アメリカのKFC店では、この時期、クリスマス特別メニューやクリスマスキャンペーンなど全く行っておりません。一応バーレルは真っ赤なリボン柄で多少はクリスマスバージョンですが。
そもそも、アメリカでクリスマスのごちそうといえば、チキンではなくターキーやハムが一般的です。ターキーは七面鳥の丸焼きです。ハムは日本では見かけない、骨付きのもも肉の巨大な塊で、そのままでもハムなので食べられますが、オーブンで温めたものを薄くスライスしていただきます。
ですから、だれも「クリスマスはケンタッキー」という発想をしません。

では、どうして日本独自の“西洋風クリスマスの祝い方”が根付いたか、といいますと――――――
1970年、大阪万博で日本に初上陸したKFCは、第1号店を名古屋に、そして満を期して第2号店を1974年、東京青山にオープンさせます。そこにクリスマスの時期にやってきた外国人のお客さんが、日本で手に入らない七面鳥の代用としてフライドチキンを購入するのを見たマネージャーが、クリスマスキャンペーンを生みだしたのだそうです。
・・・という話は、ここに詳しく出ております。http://japan.kfc.co.jp/qa/kfc.html#B03 
(日本ケンタッキー・フライド・チキン株式会社 ホームページ Q and A 「クリスマスにチキン”はKFCから始まった?」)

アメリカでは、たっぷりの油で揚げる鶏のから揚げ料理は、南部の黒人料理で、決して豪華な料理とは思われていません。Soul food(ソウルフード)と呼ばれる南部郷土料理の生まれは、過酷な肉体労働を課せられた黒人奴隷が好んだ、バターやショートニングを多く使った高カロリー食で、健康志向の現在では、不健康というネガティブイメージも強いです。KFCもどちらかと言うと貧困層が愛用するファストフード店、というイメージが強いのが事実です。お店も安売りばかりを前面に出し、イメージ向上、高級志向などあまり関心がなさげです。
私個人的には、マクドナルドのハンバーガーを食べるよりは、KFCのチキンサンドイッチの方が格段に美味しいと思うのですが。また、ソウルフードも、たまにカロリーを気にせずに無性に食べたくなる、おいしいお料理です。付け合わせのケールやコラードリーフの煮びたしなど、野菜もたっぷり摂れます。 日本でも油ぎとぎとのラーメンが美味しいのと一緒の感覚では?

それにしても、本家よりも数段、格が上がっての日本での土着化を成功させた日本KFCのマーケティング力、すばらしいですね。 
ちなみに、アメリカのKFCはクリスマスよりもフットボール観戦に欠かせないイメージを定着させようとしています。ソファに座ってフライドチキンを仲間とワイワイ食べながらのゲーム観戦を、KFCが元祖のcouchgating(カウチゲーティング)と命名する!と言っております。

さて、やっと英語と日本語の話にはいります。
日本でケンタッキーと言ってもうひとつ思い出すのは、店舗の前に必ずいるカーネルサンダース像。実はこれも日本独自のものです。アメリカのKFCにはカーネルおじさんの像はいませーん!!! これも目ざとい日本人経営者がアメリカ本社がイベントのために特別作成した創始者の像に“目をつけ”日本でほぼ全店舗前に設置することにしたそうです。元祖ゆるきゃら、と言ったところでしょうか。 日本式をベースにアジアの店舗にもいるそうですが、実際に日本以外でご覧になられた方いらっしゃいますか?

ではここで問題です。
KFCの創始者であるこのおじさん、本名は何と言うでしょうか?

名字がサンダース、下の名前がカーネル、、、?
いいえ!

英語で書くと
Colonel Sanders (発音:カーネル・サンダース)
となります。
意味は「サンダース大佐」です。
サンダースは名字ですが、カーネルは「大佐」という意味の敬称で、下の名前ではありません。
ファーストネームはHarland です。
本名はHarland Sanders (発音:ハーランド・サンダース)だそうです。
ですから、「カーネルおじさん」、と呼ぶのは実は変なのです。「ミスターおじさん」と言っているようなものですから。
そして、おじさんと呼ぶのは失礼なくらい、カーネルは偉い名誉称号なのですから。

Colonelと言う敬称は聞きなれないかもしれませんね。
Colonelの発音はコロネルよりもカーネルに近いです。
意味は「大佐」の意味です。
普通は軍隊での地位を表す敬称ですが、南部ケンタッキー州では、州に貢献した民間人に与えられる名誉称号で、軍隊とは全く関係がありません。
正式にはKentucky Colonel (ケンタッキーカーネル)「ケンタッキー州名誉大佐」という称号です。
もしかしたら、日本KFCは「大佐」と日本語に訳すと戦争を連想させてよろしくないので、あえて「カーネル」と原語を採択したのかもしれませんね。

創始者Harland SandersはKFCのフランチャイズ化によるケンタッキー州経済への功績を讃えられ、時のケンタッキー州知事よりカーネルの称号が贈られました。
敬称は、それだけで名前をつけなくても呼び名になるので、
おじさんのことを、「カーネル!」と呼びかけるのは全く問題ありません。
「カーネル・サンダース!」も、もちろんよろしいです。「サンダース大佐!」って感じですから。
でも、「カーネルおじさん!」はおかしいですね。
「カーネル・サンダース氏」などと言うのも二重敬称でおかしいです。
また、「ミスター・サンダース」と呼ぶのもカーネル称号所有者に対して失礼にあたります。

サンダース大佐は、決してエリートではなくその人生で40回以上も転職し、60歳以上になってからKFC のフランチャイズ化でようやく地位も名誉も金も手に入れた遅咲きの人です。カーネルは地元の名士なので、真っ白いスーツにリボンタイのオシャレな装いをしています。また、ロータリークラブやフリーメーソンの会員にもなり、KFCでも慈善活動や奨学金制度を設け、社会貢献に尽力し、94歳で亡くなりましたが、そのホスピタリティー精神(南部のお・も・て・な・し の気持ち)と慈善精神は、今でもKFCに受け継がれていっています。

ご参考までに、ご興味のある方は日米KFCのホームページを見較べてみてください。
日本http://www.kfc.co.jp/top.html
アメリカhttp://www.kfc.com/

では、みなさん、
Merry X'mas!

0 件のコメント:

コメントを投稿