2013年2月15日金曜日

ダンプとシンナーとマンホールと、わたし。

こんにちは

ダンプとシンナーとマンホール。
歌ができそうなタイトルですね。 違うか。
別に3つの言葉に隠された関係があるわけではありません。
ただ単に、私が選んだ全く関係ない言葉、3つが今回のテーマです。

私と"感性”が違う方には面白くもなんともないかもしれません。人によって常識は違いますからね。つまらなかったらごめんなさい。

さて、誰もが意味をご存じだと思います。
ダンプ。
シンナー。
マンホール。

私の人生で特別意識するでも無かったコトバでありますが、これらはカタカナ言葉(外来語)で、英語が元になっており、英語の発音をそのままカタカナに置き換えた言葉です。
ですから英語でも同じ言葉です。よって当然意味も同じ、と思っていたのですが、これらの言葉を英語で(正確には、英語の発音で)耳にしたとき、衝撃が走りました。”そういう意味だったの!?”と目からうろこ、でありました。 あまりにも日本語で知っていたイメージと違っていたので。

では、ご紹介していきたいと思います。

=その1=
ダンプトラック (もしくは日本だと「ダンプカー」)
工事現場で勇ましく働くトラックです。男の子がいたらミニカーや働くくるまの絵本で人気かも。
個人的には 「ダンプ松本」を連想します。若い方には???かもしれませんが、80年代一世風靡した女子プロレスの悪役(ヒール)です。私は別にファンだったわけではありませんが、テレビで見ない日は無いほどの人気者で、ちびで肉弾のような風貌に童顔でした。
 ダンプトラックのイメージ:勇ましい、強い、固太り

英語で dump truck です。
え???dump って、”ゴミをどさっと放り投げる”っていう意味です。
名詞dump は鉄でできた大型のゴミ投棄容器のことです。(キャンプ場とか学校にある) ビニール袋に入れたゴミをどんどん放り投げて捨てる、そんなイメージです。ダンプトラックって、そうか、荷台が傾斜してザザーッと砂利とか大量に地面に流れ落とすトラックですよね。dumpするtruckだから dump truck。 そのままじゃん。 日本語で言うと「ダンプ」って勇ましいイメージだったのですが、「ゴミ」。。。
 ダンプ松本は 「ゴミ捨て・松本」

英語では"dump"と略すと勇ましいイメージとは程遠くなってしまいます。

ちなみに、英語で勇ましい名前として使われるのは「ブルドーザーbulldozer」です。略してDozer。 犬友にDozerって名前のブルドッグ君がいます。

=その2=
シンナー 
イメージ: 不良、スーハースーハー。積み木崩し。 (は!また若い人には分からない例えだ。)
英語: thinner
「thinするもの」の意です。 動詞thinは「薄める」「細くする」「まばらにする」です。英語だと全くもって不良の匂いのしない普通の一般的な言葉です。
シンナーって ただの「薄め液」「稀釈剤」のことだったんですね。知らなかった。特別な薬剤の名前だと思っていました。しかも特殊な職人さんとか油絵をやる絵描きさん以外、一般人は手を出してはいけないものだと信じ込んでいました。 日本語だとthじゃなくなるからthinと結びつかなかった。ちょっとシンナーが身近になりました。
 先日、ヒラリー・クリントンが血栓で緊急入院した際の治療は”blood thinner"投与でした。 血液希釈剤です。 全然スーハーするものではありませんでした。

=その3=
マンホール
連想→マンホールの蓋。 ご当地マンホールの絵柄もあったりして、結構かわいかったりする。 私にとって特に何の感慨ももたない言葉、マンホール。

これが、これが、英語では manhole
つまり「人間」の「穴」の意です!!!アメリカ~ンな発音で言うともっと感じがこもると思います。マーン・ホール☆ そう、「ヒトが(修理や何かで地下の空洞に)出入りするための穴」のことです。
「マンホール」が二つの単語の複合語との発想が無く、「ま・ん・ほ・お・る」と認識していたので衝撃でした。 私はこの事実に気がついて以来、道でマンホールを見かけるたびに、蓋がずり開いてヒトがぬっと出て来る妄想に取りつかれているんです。そしてマンホールの下に繰り広げられている巨大地下帝国で地底人がうじゃうじゃいる図を想像してしまうのです。怖い。
 もう二度と私とマンホールの平穏な日々は戻ってきません。。。

おしまい。

私と同じように「ダンプトラック」も「シンナー」も「マンホール」も、二度と今までと同じように感じられなくなる方が増えてくれると、私としてはうれしいです。

2013年2月7日木曜日

分数好きのアメリカ人

こんにちは
ついこの間お正月を迎え、今年は頑張るぞ!とやる気に満ちていたのもつかの間、あっというまに1月も終わってしまいました。ブログ2回目も書かないまま、、、、。 いかん、いかん。
と言うわけで2月に入りましたが気持ちも新たに、今回のテーマ。

突然ですが質問です。
0.1センチはありますが、「0.1インチ」は存在するでしょうか?

聞くってことは、、、無いの? 引っかけ問題? 

まずはこの写真をご覧になって
ご自分の目でしっかり確かめてください。
 
        

あまり見やすくない定規で申しわけありませんが、
上部がインチ用、下部が(ひっくり返して使う)センチ用になっています。
お分かりになるでしょうか?

インチは0から1の間の区切りが15本で、1インチが16等分されているのにお気づきになりましたか?いったい一目盛はなんて読むんだ??

センチは10等分されており1目盛は1/10センチだから0.1センチ(1ミリ)です。すっきり。

一方インチは16等分されているので1目盛が・・・・・???
はい、1/16インチです。 分数でいいんです。
あえて計算すると1/16=0.0625インチです。 ふう、日本の中学受験問題のようだ。 ですから面倒なので小数点で言うことは全くありません。
定規はすべて10等分の目盛りだと信じて疑わなかったので、初めてインチの定規を見た時は衝撃的ですらありました。 (手芸をする方はこのあたり、ご経験あると思いますが。)

したがって冒頭の質問の正解は、「0.1インチは存在しない。」です。

ただしiPadやTVのスクリーンなど工業製品は7.9インチ、などとインチ表示でも10進法の小数で表示するののが慣例となっているので、正確には、「定規では」ということです。もう少し拡大して言えば、技術的には存在するけど日常生活では全く使わないし言わない、といえるでしょう。
(逆に考えれば、日本人にとって1/16センチは実存はするけど、そんなしちめんどくさい言い方はしない!」という感覚です。)

この例から分かるように、アメリカ人は分数が大好きです。
そして日本人は小数点が好き、と言えるでしょう。
普段でも、1 1/4mile とか 1/2 million people という表現をしています。
私は「3/4インチ」なんて聞くととっさにどれぐらいかわからず、0.75インチ?センチだとどのくらい?、、、なんてますます分からなくなることがよくありました。
長年この分数感覚に体がなじまなかったのですが、ある時こういうことだと気がつきました。

  日本人の発想の流れ:
1センチ → 10等分する → 真ん中が0.5。それより左だったら0を起点に0.1センチ、0.2センチ、0.3センチ、と目盛りを数えていく。 真ん中より右だったら0.5を起点として0.6、0.7、0.8 、と一目盛りづつ数える。
  アメリカ人の発想の流れ:
1インチ → その半分の1/2インチ → そのまた半分の1/4インチ →
1/8 → 1/16、と永遠に半分にしていく。
実はアメリカンだけど、不思議なことに、日本伝統「紙切り」芸の発想だったんです!1枚の紙が2枚、2枚が4枚、4枚が8枚、8枚が16枚、、、。
半分をさらに半分、という方法は計量道具が無くても測量できるので、開拓時代には便利だったのでしょうか。(機会があれば調べてみたいです。)

アメリカの学校の理科で、ビーカーに入れた液体の目盛りの読み方を教えるのですが、小学校どころか中学、高校でも教えるので、どれだけレベルの低いことやっているんだ、と驚いたのですが、もしかしたら、目盛りが10進法か分数目盛り(←私の造語です)かどうかを、見分けてから解答する、という高度な問題だったのかもしれません。
現に、料理用計量カップも分数表記のものと10進法表記のものが売られています。

ところで、英語で分数発想がどれぐらい浸透しているかの良い例が「quarter」という言葉のオールマイティーさでしょう。

アメリカのお金を思い出して下さい。硬貨は1セント、5セント、10セント、
25セントの4種類です。 5セントはまあわかるけど25セントって中途半端な、、日本で25円硬貨発行なんて発想すると思いますか?
しかし日本的には中途半端な25セントコイン、別名をクォーターといい、とてつもなく大きな存在で便利なヤツなんです。表か裏かの賭けも、メーターパーキングもクォーター無しでは成り立ちません!
このquarterは「四分の一」の意です。ラテン語の1/4から来ています。コインのクォーターは「1ドルの四分の一」という意味です。

では、25+25+25+25+25=?
なんて計算、即時にできますか?
実はこれ、アメリカの小学校2年生の算数の問題です。
答えは・・・125、、、ではありません。  1ドル25セント、です!
最初の4つの25を丸で囲んで1ドル、と置いておいて、それと余った25セント1枚、と数えます。
他にも、「1ドル85セントのノートを買いました。コインだけでの払い方を考えましょう。」なんて問題もよくあります。
答えは、例えば「クォーター7枚とダイム(10セント硬貨)1枚」
すると、次の問題は「別の払い方を考えましょう。」で、「クォーター4枚とダイム8枚とニッケル(5セント)1枚」とか別の答えを考えさせるわけです。
とにかくこうやって25セントが4枚で1ドル、というのを体にしみこませるのですね。

1/4に体が馴染んできましたね。
そうすると「4つで全体」という感覚が楽にわかるようになります。
クォーター4枚で1ドル。
4半世紀4回繰り返すと1世紀 quarter century
4学期制が多いアメリカの学校ですが1学期のことをquarterと言います。4学期(4quarters)で1year。 
時間もそうです。
クオーターは15分。quarter4回で1時間。
「第1四半期決算」などといいますがこれは12ヶ月の1/4、3カ月分の決算のことですね。
マックのクォーターパウンダーは、1/4lb = 456gX1/4=約110gの肉が入っているわけですね。

「4つで全体」の感覚はパイかピザを思い浮かべれば簡単でしょう。
半分に切ってさらに半分にきると4切れ。

さて、日本人の発想ですが、
2,4、6、8,10.と2個づつ数えたりするほどなので、2.5とか25というのは単位として意識しにくいものです。
10周年記念の次に祝うのは20周年、次に30周年、40周年、一大イベントの50周年、となります。
アメリカでは何と言っても一番大きな記念は25周年です。
quarter centuryですから。結婚25周年、創業25周年、卒業25周年。最も盛大に祝います。(その次は50周年ですが、そこまで続かない場合も多いので) 30周年は25周年よりもかなり影が薄いですね。

分数感覚をお話してきましたが、分数で言うときは分数である必然性(気持ちの上での)があるはずです。だから、分数ののままの気持ちになると体にすんなり入っていきます。 
「1/2mile 」って聞いたら、「ああ、1マイルの半分なんだな。」と思えばいいのです。わざわざ「0.5マイル」と小数点に直すと、この感覚が入ってきませんね。 分数表記は小数に直さないのがコツであります。

なかなか体に馴染まなかった分数感覚だったのですが、半分の半分感覚でちょっと慣れてきたら、最近は「quarter」がちょっとした私のお気に入りになりました。
何かを達成したいとき、スタートがゼロでゴールが10とすると、すごくゴールが遠い気がしませんか? 1,2、そして3ステップあたりですでに疲れてうわぁ、まだ半分も行ってないよ、と。
だからクォーター制で考えることにしたのです。スタートがゼロでゴールが4。そうすると、あら不思議、1,2ステップで「あ、もう半分達成!よし、後半頑張ろう!」続いてステップ3。4ステップ目はなんだ、もうゴール! 終了。
 こうやって4クオーターを何回か繰り返すとすごく遠くのゴールも達成できそうな気になれるのです。
これ、気がついたら、テニスやフットボール(4回のトライ)と同じカウントの仕方ですね。

4って中途半端な数だと思っていましたが、なかなか便利じゃありませんか。 どうでしょうか?

ところで、最後に、とても気になっていることがあるのですが、
日本語の「四半期」「第1四半期」という言い方。半=半分、半分に分ける、という言う意味なのでおかしくありませんか? 「四分期」と「分」という漢字を当てた方が絶対にわかりやすいと思うのですが。 quarterの輸入後に和訳したのだと思うのですが、誰が考えた言葉なんでしょうね。

では、2月も第1四「分」期が過ぎましたが、元気で第2quarterも頑張っていきましょー!!! 極寒のこの時期、みなさん、風邪などお召しになりませんように、お元気で。